■Aragosta車高調の仕組み■ Aragostaで見る車高調の仕組み
車高調と聞いて多くの方が思い浮かべるは何だろう?
「車高が調整出来るサスペンション」
これはもちろん正解である
車高調とは「車高調整式サスペンション」の事である
この事から車高調とは「ただ単に車高を調整出来るサスペンション」という認識が強いのも事実であるが、この車高調整と言うのはノーマル本来のバランスを崩すものであり、単純に車高を落としただけではノーマル本来の走行性能すら発揮できないと言う事を覚えておいて欲しい
車高を落とす為だけにサスペンションを触るなら、ダウンサスだけでも充分であるが、Aragosta車高調キット本来の役割は車高を落とすためだけではなく、落としたい車高に合わせてその車高の中で限界までサスペンションを機能させる為の究極のパーツなのである
サスペンションを変更するにはまずサスペンションに関する理解を深めて頂きたい
サスペンションの基礎知識が身に付けば、おのずとAragosta車高調キットの素晴らしさ、必要性への理解が深まる事は間違いない
このコーナーではテーマを分けてサスペンションの仕組み、サスペンションの役割、車高調の機能、走行ステージ・目的に合わせたサスペンション作りの基礎等を解説していく。知識の浅い方にでも出来る限り解り易く解説するが、不明点などがあれば是非遠慮なく問い合わせをして頂きたい。
■テーマ@サスペンションの役割と仕組■
サスペンションの役割
サスペンションの役割とはどういったものであろうか?
サスペンションは通常の四輪車であれば一つのタイヤに一セットのサスペンションが対になって装着されている
単純に考えれば路面からの入力は タイヤ→サスペンション→ボディへと伝わる。
乗用車として求められている「操縦安定性・快適性」をコントロールするのはサスペンションであり、その役割としては「ドライバーの意図した通りに車をコントロール出来る様にタイヤを地面に押し付ける事」がひとつ、そしてもう一つは逆に「路面からの衝撃をドライバーに伝えるまでの間に出来る限り緩衝する事」 
この二つの役割がサスペンション本来が持つ大きな役割である。
その場その場の状況に応じて最適に動く機能が求められるサスペンションは上記二点の役割だけでなく、ドライブする楽しさを演出する為にも決して外す事の出来ない重要な要素なのである
サスペンションの仕組・構造
サスペンション初心者の方でもわかりやすい様に右図を作ってみた
サスペンションと一言で表す事が多いが、実際には沢山の部品で構成されている。今回はわかりやすく代表的な構成パーツを書いてみた
これはBMW等最近の欧州車で使われているストラット形状のサスペンションの代表的な構成図である
サスペンションはタイヤとボディの間にあり、スプリングで車重を支えて、ショックアブソーバーで衝撃や荷重の吸収速度をコントロールし、スタビライザーで車体の傾き(ロール)をコントロールしている
通常アフターパーツでサスペンション交換と言えば、右図のスプリングとショックアブソーバーであり、用途に合わせてアッパーマウントやスタビライザーを交換する(アッパーマウントとスタビライザーの役割は後述する)
このショックアブソーバーとスプリングが車の車高や運動性能を大きく左右する要素であるという事をまず解って欲しい
この基本的な段階でも既にサスペンションを構成するパーツの各々の役割を誤解しているユーザー様が多いので改めて補足をしておきたい
サスペンションパーツに関する誤解の代表例
@車高をスプリングだけで調整する
ダウンサスと言う商品があるが、これは単純にサスペンションの構造上スプリングを短いもの、柔らかいものに変える事でローダウンを図る商品である
そう言った意味で確かにスプリングを変える事で車高は調整出来るがここで大きな誤解を生んでいる

スプリングの長さやスプリング自体の硬さ(バネレート)は確かに車高に影響を及ぼすパーツであるが、サスペンションは車輌を構成するパーツの一部に過ぎない。まずスプリングありきではなく、ボディの剛性・重量・構造・想定車高・ショックアブソーバーの寸法・設計等、多くの設計要素はまず車を正確に、安全に動かす事の出来る様に設計されている故に、スプリングとはそれらの設計要素に合わせて設計されている事を忘れてはいけない
サスペンションは先ほど図解したパーツだけでなく、実際にはボディの剛性、タイヤの剛性、サスペンション構成パーツの剛性まで考えて設計されているのものであり、その構成要素の一部であるスプリングだけを交換した場合は本来であれば全てのサスペンション構成パーツの設計を見直さなければならなくなる
故に車高をスプリングで調整するのではなく、サスペンション全体で調整しなければならないというのが、車と言うものをトータルで考えた際の基本的な考え方である
見た目だけ車高が落ちれば良いという考え方があるのも事実でありそれは否定はしない、あくまでも個人の自由である
しかしながらその結果失うものが非常に多いと言う事だけは忘れてはいけない


Aスタビライザーでロールを抑える
これもダウンサスと同じ事であるが、スタビライザーにロール抑制を依存している間違った認識も良く見受けられる
まずスタビライザー自体の役割として「ロールを抑える」というのは間違ってはいない
しかし一言足りない「ロールを最適に抑える」が正解であり、ロールを抑える事が第一の目的ではなく、あくまでもサスペンショントータルとそれによる運動性能、運動特性で見た場合に、最適にサスペンションが動く範囲でロールを抑えていると言うのが正解である。
これを理解していないと?
サスペンションを変えた→車高は落ちた→ロールが大きい→強化スタビライザー導入→乗り心地が悪くなった
これもサスペンションの役割・構造を理解していればそんなに理解に苦しむ現象ではない
スタビライザー自体がネジレに対する反力を利用して、ロールを抑えてタイヤを地面に押し付けようとするのが基本的な役割であり、通常左右のサスペンション同士を繋いでいるパーツであるから、結果として前後左右四輪が独立して動くよりも左右のサスペンションが互いに作用してしまう訳であるから、動きが規制されてしまう。規制されてしまい動きが悪くなったサスペンションは路面の衝撃を吸収しきれず乗り心地の悪化に繋がる
スタビライザーはあくまでもまずショックアブソーバー+スプリングの組み合わせに対する荷重等の運動エネルギーを補助的に使うものであり、これもスプリングと同様にサスペンショントータルで考えていかなければならない。
ロールを嫌うのであれば、まずロールしにくいスプリング・ショックアブソーバーを装着する必要がある。
でなければ折角「乗り心地の良い」と言われているサスペンションを組んでも上記の様な悪循環に陥ってしまう
乗り心地を重視した場合当然の事ながら、ポン付けパーツの様な単純なもので良くなる事は物理的にありえない
サスペンション変更による、乗り心地・操縦安定性等は、全てシャーシとタイヤに合わせたサスペンションの構成パーツで決まると言う事を重々理解して頂きたい

サスペンションを取りまくアフターパーツ
さてここまで読んで???という方には申し訳ないが理解出来るまで読み直して頂くか、どうしてもこの基礎を理解出来ないと言う方には残念ながらサスペンションの交換自体御勧めしない。これを理解せずに安易にアフターパーツを愛車に組み込めばひたすら矛盾の中で愛車のバランスを崩していく可能性が高くなるからだ。
サスペンションに関する勉強不足のショップというのも問題だが、あくまでも最終的にはそれを選んだユーザーの自己責任もあると言う事を忘れてはいけない。商売目的のみで次から次へとパーツを売りつける様なお店自体は無駄な出費が増えるだけで、まず敬遠した方が良い。
サスペンションの構造の基礎中の基礎を理解してパーツを選ぶだけで、貴方の愛車は理想のモノに近づく筈である

ここでは、サスペンションパーツの中でもアフターパーツで流通している代表的な種類について簡単にご紹介させて頂く

ダウンサス

所謂ダウンサスである
サスペンション構成パーツの中でもスプリン
グだけを変更し車高を落とす為だけに生産
されたもの
コストが安く収まる為非常に取付された車
両も多いがMINI等の様にストロークの短い
車輌は要注意!

ダウンサスをより詳しく知る
ローダウンショックアブソーバー

左のダウンサスと組み合わせて使う事が多い
車高を落とす事を想定してショックアブソーバー
本体も短くする事によってショックの底付き防止
や運動性能の向上を狙ったものや乗り心地向上
を狙ったもの等様々な種類がある



ショックアブソーバーをより詳しく知る
車高調機能付サスペンションキット

車高を任意の高さに調整出来る機能が付い
ているだけでなく、ショックアブソーバーの
調整機能が付いたものまで様々な種類が
デリバリーされているが、ある意味一番
誤解が出やすい
モデルになる。構成パーツが多い為、基本的
には一番高価な部類に入る
車高調をより詳しくしる

このコーナーでの目次

ダウンサス
Lダウンサスで車高が落ちる仕組み
Lダウンサスのデメリット


ローダウンショックアブソーバー
Lダウンサスとショックアブソーバーをセットで交換する必要性
Lローダウンショックアブソーバーのデメリット


車高調整機能付きサスペンションキット
L
車高調とは?
L車高調の仕組
Lネジ式車高調

    
ネジ式車高調整機能付きサスペンション
    
Lネジ式車高調の仕組・メカニズム
    
L車高を下げる時の矛盾
    
L車高を上げる時の矛盾
    
Lヘルパースプリング付きネジ式車高調
    
Lヘルパースプリングとは?
    
L全長調整式車高調
    L全長調整式車高調整機能付きサスペンション
      L全長調整式車高調の仕組
    L全長調整式車高調のメリット
    全長調整式車高調のデメリット
     


サスペンションを機能させるダンパーのメカニズム
さてここまで読んで頂いて理解出来た方は、これであなたの望むサスペンションキットがどういったものを
選んでいけば良いかのヒントを得た筈である
ダウンサスで良いのか?車高調が良いのか?また車高調なら全長式か?固定式か?そういった要素が
決まって来たところで次に大事、むしろ最も大事な事がダンパーとスプリングの選び方である
良いダンパーと良いスプリングとは一体どういったものであろう?
有名なサスペンションメーカーというだけで選ぶのではなく、ダンパーの仕組みを基礎から学ぶことで
ダンパーの仕組みだけでなく、そのダンパーが走行性・乗り心地にに影響するメカニズムを知って欲しい
サスペンション一つを装着するのにこんな事まで知っておかねばならぬのか?と思われる面倒臭がりな
方は、ご自身の選んだモノを付ければ良いが、「選ぶ」と言う事はこれらのメカニズム、仕組みを知って
初めて「選ぶ」事が出来るのだ。

ダンパーのメカニズム

さて現在市販されている純正及びアフターパーツのダンパーのほとんどがダンパーオイルと呼ばれるもの
がダンパーの中に入っている
このダンパーオイルが、ダンパーの中で流動する際に抵抗を生み、この抵抗自体は減衰力と呼ばれて
いるこの減衰力の力や特性はダンパーオイルに対する、抵抗の付け方で変化する
この抵抗の付け方は減衰力の特性、つまりダンパー性能自体を大きく作用させる要因となる為、各メーカーによってここの抵抗を付ける仕組みの出来次第でダンパーの良し悪しの決め手となるのだ

抵抗の付け方は、右図の様にオイルがシリンダー内を流動する際のバルブの拡大図であるが、このオイルの流通経路の開く仕組み自体で抵抗を作ったりダンパーオイル自体の粘度を変える事で抵抗を作ったりするのが原則的なやり方である

これ自体は単純な様で実は非常に難しい事なのである
なぜならば、ダンパーオイル自体は粘度指数を変える事が出来るとは言え、実際には水と同じ液体でありダンパーのシリンダー内部でその液体という特性が変化する訳ではない。
もう少し解り易く言うと、ダンパーは左のアニメーションを見るとわかる様に上下に動く際に、ダンパー内部でオイルがバルブの上からバルブの下、もしくはその逆に移動する際に抵抗を生むと言うのが基本的なメカニズムと説明したが、ダンパーに対する力の入力と言うのは常に一定ではない。自動車のダンパーと言うのは常に状況が目まぐるしく変化する状態で路面からの入力、車体の荷重をそれぞれ最適な力へと調整してくれるものであるから、コーナリング時に踏ん張らせたい時は抵抗が大きくゆっくり動くように、路面から突き上げがあった際は抵抗を少なく速く動くようにそれぞれの状況下で最適な抵抗=減衰力を持たねばならないからである
つまり実際の車のダンパーとして考えた場合には変化させるのは、このバルブの開き方、閉じ方等また開くスピード・閉じるスピード等のダンパーの内部構造に委ねられているのだ。
同じ自動車用のダンパーの中でもボンネットやリアゲートのダンパーと比較するとわかりやすいと思うが、ボンネットのダンパーは単純に
ボンネットが開こうとする際に勢い良く開きすぎないように、ダンパーが伸びようとする方向に対して一定の速度でゆっくり伸びていくように設計されている
またボンネットを閉じる時には、その逆の急激に閉まらない様に縮む方向に対してゆっくり縮むように設計されている
ボンネットダンパーの場合は、単純に決まったボンネットの軽さに見合ったダンパーの力さえあれば設計通りに動くが、FRP製のボンネットに
変えた事のあるユーザーならわかると思うが、軽量ボンネットに変えるとノーマルボンネットの時に比べると遙かに速いスピードでボンネットが開く
これはボンネットの重量に対してボンネットのダンパーの反力が強すぎるためである
ボンネットダンパーは予め決まった重量のボンネットだけを支えれば良いため、伸びも、縮みも一定の力で対応すればよいが、
サスペンションダンパーで考えると、このボンネットが重たくなったり軽くなったりとした変則的な入力に対してその都度最適な減衰力が
必要になってしまうのだ

この事を考えると如何にダンパーの減衰力特性が難しいものかどうかがご理解頂けているだろうか?
ダンパーの肝になるこのバルブの仕組みと言うのは各メーカーによるノウハウの塊であると言えるから、メーカーの実績や努力によって
性能が左右されると言っても過言では無いし、どれだけ高価なパーツ使用や、全長式などを謳っているダンパーであっても肝心のダンパーに
信頼性が無ければ全く機能パーツとしての役割を果たさない事はご理解頂きたい
さてここで度々出てくる「減衰力」という言葉は、皆さんも良く目にする言葉ではなかろうか?
減衰力10段調整式!とか30段調整式!という謳い文句のサスペンションキットは車雑誌を見ていても良く目にする筈
しかし減衰力と言うものの基礎を先程理解して頂いたとは思うが、ただでさえ難しい減衰力の出し方を更に調整機能まで持たせると言う事は
更に高度な技術である。
減衰力調整式ダンパーと言うものほど選択が難しいものは無い。その減衰力の仕組み・特性が理解出来ていなければ、貴方の車や
貴方の求める乗り味に近づけるどころか、遠ざかってしまうのだ
更に言わせてもらうなら、この基礎を理解出来ていない人程、サスペンションの選択基準を「ブランド名」「車高の調整幅」「減衰力何段調整!」
と言った言葉に踊らされてマガイモノを付けてしまう事になっている
減衰力発生のメカニズムが理解出来た所で、次にその減衰力の特性と言うモノを解説していこう
何度も言うが、ここまでも話を理解出来なかった方は、申し訳ないがもう一度最初から読み直す事をお勧めする
物事は何でもそうだが、表面上の知識だけを理解しても無意味である。何事も基礎が大事。基礎が今後のサスペンション選択の最低限の
基準になることをきちんと理解して無駄な投資にならない様に気を付けて頂きたい

減衰力特性とは?
さてダンパーのメカニズム及び、減衰力発生の基本的な仕組みがご理解頂けた方にはさらに「減衰力の特性」についての理解を深めて頂こう
「減衰力の特性」は減衰力の発生の仕方、つまりダンパーのどの仕様域、速度域でどれ位の減衰力が発生しているかを表すものであるが、ダンパーの減衰力は、ダンパーテスターという計測器を使えばグラフとして見る事が出来る。この減衰力の特性自体がそのダンパーの乗り味を大きく左右しており、サスペンションの良し悪しを決める重要な要素となっている事をご理解頂きたい。
もちろんダンパーテスターでの計測をグラフとして見る事しか出来ないし、実際にはタイヤのサイズ、特性、空気圧、サスペンションブッシュの特性、シャーシの剛性などの要素も車の運動特性を決めていくものであり、減衰力グラフだけで実際の装着車輌の特性は100%評価は出来ないので悪しからず・・・

減衰力のグラフをご覧頂いた事のある方はおられるだろう
グラフ自体は単純にX軸がダンパーの動くスピードを表し、Y軸の上をバンプ側(縮側)Y軸の下側をリバンプ側のそれぞれの減衰力という風に表記しているものが多い。実際にはこの説明だけでもいまいちイメージがしにくい方も多いであろうから、ダンパーの動きとその時発生している減衰力をグラフに表した動きをアニメーション化したものが下記のアニメーションである
補足
ダンパー自体の動きは静止状態・伸び側・縮み側の3通りが原則である
静止状態にいるダンパー自体が縮み始めた際にまず、ダンパー自体に抵抗(減衰力)が発生し、ダンパー内のオイルの動きと共に徐々に抵抗が少なくなっていく
これ以上ダンパーが縮みません(ダンパーの動きが止まろうとする)状態ではダンパー内の抵抗(減衰力)は殆どなくなり、今度はスプリングの反力やダンパー内のガス圧に押し返されダンパーは伸びようとしていく
その際に縮む時と同じようにダンパー内を移動するオイルの抵抗で伸び側にも抵抗(減衰力)が発生するのである
説明が重複するが、ダンパーのメカニズムを理解頂ければわかる様に伸びも縮みも減衰力は発生する
ダンパーの動きと、減衰力の位相関係のイメージが掴めたところで本題に入っていこう
ここで一点注意して頂きたいのが、上記のアニメーションはあくまでも、ダンパーの伸び側と縮み側の動きをグラフと相対させたものであり、ダンパーの縮み始めが値が高く、縮み終りが値が低くなる、伸び始めの値が低く、伸び終わりが高くなるという意味では無い
ダンパーの抵抗値(減衰力)はあくまでもダンパーの動くスピードに対して発生する。減衰力の見る際に表現として速度域を表す言葉が出てくるが、ダンパーの動く速度、つまりダンパースピードが毎秒0-25cmまでを低速域.25-50cm/sを中速域.50cm/s以上を高速域と呼ぶ(ショップ・チューナー・メーカーによって多少の差はある)
ダンパーの動くスピードと実際の減衰力の相互関係を下の様なグラフに表してみた
私の説明が悪く頭がこんがらがっている方も多いと思うが、上のグラフとダンパーのアニメーションを見比べて、ダンパーの低速域は伸び側も縮み側も減衰力は小さく、中速域、高速域とだんだん減衰力が大きく立ち上がって行く事がなんとなくでもイメージ出来るだろうか?
減衰力のグラフとダンパーの動きの連動性をイメージ出来れば、あとは実際に貴方の車を走らせながらこのグラフとダンパーの動きをマッチングさせて行けば減衰力の特性の「どの部分がどの様に働いているか?」を更にイメージしていけるだろう
この減衰力の特性というものは、自動車の動きを決める中で重要な要素である事を先程から口酸っぱく述べてきたが、では実際にどの様な特性を持っていればどの様な車輌特性になるのであろうか?
ダンパーのメカニズム、減衰力のメカニズムは理解できたとしても、そこから実際自分が理想として行く乗り味に近づけていくのにどの様にダンパー特性を変化させて行けば良いのか?を理解出来ている人は少ないと思う
もちろんこれは、ほとんどのメーカーがノーマルダンパーと、製作したダンパーのそれぞれの特性を明確にしていない為理解しようにも難しい面があるので仕方ないと言えば仕方ない。とは言え、製品のダンパーグラフをきちんと明示しているメーカーやショップはかなり良心的であり、そう言ったデータがあれば不満点が出てきてもデータに基づいた対策を取る事が出来るから、拘る方はこう言った計測データを取ってもらう事をお勧めする

ダンパー特性と車輌特性の関係を理解する為に、ここで補足の説明をしておきたいと思う
早く本題に入れと突っ込まれそうだが、ダンパーの動きと実際の車輌の動きの関係を理解が、今後の解説を理解し、セッティングに活かすのに重要な事であるし、先程の説明だけで減衰力を理解する事は難しい。先程の説明はあくまでも減衰力の基本概念である
特に初めて、こう言ったメカニズムを知ろうという方には既に非常に難解なレベルの話になっているかも知れないが、解らなくなったらもう一度反復して読んで頂く事をお勧めする。社外のサスペンションへの変更はコストが掛かる投資故にきちんとした下準備をして頂きたい

ダンパーと車体、そして路面状況の三要素をわかりやすくアニメーションにしてみたが、奇麗な路面と細かい凹凸面・突然の段差や継ぎ目による入力を受け持つダンパーの領域は常に変動していると考えてよい
むしろ減衰力グラフの様に安定した入力を与える事等は実際の路面走行時においては不可能に近い
上記アニメーションで説明しているのは、一般的な日常使用時のモデルでありダンパーの動く速度としては毎秒30-50cm程度のゆっくりの中速域から、継ぎ目等の急激な入力がダンパーに入ってくる際の毎秒50cm以上の高速域である
走行時の路面からの入力に対して的確なダンパーレートが発生出来ないと、硬すぎると突き上げを感じるし、柔らかすぎるとフワフワしてしまう
※ダンパーグラフ自体はわかりやすい様に、ダンパーの縮側だけを表しているので、実際の車輌の動きはタイヤ・スプリング・ボディの吸収性や縮み側の減衰力等沢山の不確定要素が作用するので完全にグラフが一致するわけではない

減衰力の特性とは、ここまでの説明である程度理解頂いた低・中・高速域での減衰力の発生の仕方(グラフでのラインの出方)やそれぞれの値を指すと言う事はなんとなくでも想像出来た人は現時点で100点を上げたい
正直これ以上解り易く説明するのは、私では不可能であるのでどうしても理解出来ないと言う方は私のお店においで下さい・・・
ただ完全に理解出来なくても心配は要りません。100%理解するに越したことは無いが、ここまで読み進めて理解しようとする努力をした貴方は読み始めた時よりも、充分にレベルアップしている筈であるし、「ものの本質を知ろうとする努力」これは現在日本人の国民性で一番欠けているものである(怒)からたかがサスペンション(されどサスペンション)と言え知ろうとした貴方、そして私の解説に眉をひそめながらも人の意見に耳を傾けようとした貴方は単に暇な人だけなのかも知れないが、これは本当に素晴らしい事なのだ。

さて失敬、話が少しそれてしまった
ここまでを100%理解出来た方であれば、減衰力特性とその特性による車輌の運動特性をイメージする事はた易い事であろう
残念ながら半分ほどしか理解出来なった方もおられるであろうから、その方々の為にも減衰特性と運動特性=もっとかみ砕いて言えば良く言う「乗り心地仕様・スポーツ走行仕様」  をグラフで概念化してみよう

折角なので若干クイズ形式にしてみる
今から二つの減衰力特製のグラフを並べる。 片方がコンフォート仕様、もう一方はスポーツ走行仕様としておこう
どちらのグラフがコンフォート仕様なのかを今まで学んだ事から推測してみてほしい
コンフォートがどういうものなのか?その時ダンパーがどう動いていればよいのか?をイメージすれば問題なく正解を選べる筈だ
どちらかを選んでグラフの画像をクリックすれば正否が出てくるのでじっくり見比べて頂きたい


ちゃんと正解を選べたかな?万が一不正解だった人はちゃんと最初から読み直してください!どこが間違っていたから正解を選べなかったのかを考える事も非常に大事なことである。一番困るのは「なぜ間違ったかを考えないこと」であるからちゃんと理解して次のステップに進まれたし!





サスペンションを機能させるスプリングのメカニズム


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